空飛ぶ私の書斎 (私のエッセイ雑記帳No.73)

ライフワーク研究家 中村 義(なかむら ただし)

旅は大好きである。これまで海外には、仕事と観光を含めて60カ国以上の国や地域を訪問してきた。長年、仕事中心の旅を続けていた頃はもちろん、観光の楽しみなどまるで無く、調査や会議で忙しく、ただ往復していただけである。

リタイアしてからの旅は大きく変わった。やっと「遊び半分・取材半分」の旅が楽しいことに気づいた。企業をリストラされる前に、自ら早期退職してからは、「年に一度以上は海外旅行に出かける」という妻との約束が、もう10年以上も続いているのが不思議である。

私は旅の途中というか、道中が好きだ。ジェット旅客機で10時間以上も移動する旅などは、一番楽しいのである。大抵の人は、機内では食事、飲み物、テレビ、ラジオ、ビデオなどを楽しみ、そして眠るという日常をそのまま詰め込んだパターンとなって時間を潰す。これは、いかにも、もったいない。

私は、この時間帯が大好きである。名付けて「空飛ぶ私の書斎」という誠に贅沢な時間と空間を満喫すること。やっと気がついた。遅い。

この「空中書斎」とは、静かな空間(ジェット騒音はあるが、耳栓や音楽などである程度緩和される)で、大好きなアルコール類やコーヒー、ジュースなどをいただきながら、誰にも邪魔されることのない自分の時間をもつ。これぞ至福の境地。

これから訪問する先のパンフレットや旅行案内を読むもよし、もし帰国便なら、旅のまとめのメモ書きをつくるのもよし。やることは沢山ある。おまけに帰宅後のブログやエッセイ用の下書きとして、そのまま活用できるのだ。日常生活では味わうことの出来ない「空中で書ける」ということが嬉しいのである。

他にもうれしいことがある。機上でフライトアテンダントを臨時のマイ美人秘書として、いろいろサービスをお願いすることもできる。我が家ではこうはいかない。これまた至福のおまけ。

折角、海外へ出かけるのだから、単なる物見遊山や買い物ツアーだけではもったいない。記念写真や風景写真も悪くはないが、出来れば自分のテーマに関する情報を集めたい。自分の目で日本との違いや参考になることなどを直接に仕入れることが出来る。

ある著名なジャーナリストは「自分で実際に見て、感じた情報が一番である。他からの情報には説得力がない」と言う。まさに同感である。旅の話をブログに記録して発信する。アクセスしてくれた人たちから、追加情報が得られる。双方向通信によって内容がさらに豊かに膨れ上がり、上質の情報となる。

ちょっとした意識の持ち方で、旅は何倍にも楽しくなる。今後は、何としても「宇宙空間の書斎」を体験したいものだ。これが私の叶わぬ最大の夢のひとつでもある。


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