「司馬さんにとって、小説とは何か」 私のエッセイ雑記帳(その79)
ライフワーク研究家 中村 義
もちろん、ここでは司馬さんにとっての「小説」とは何かということである。
司馬さんはいくつかの作品の中で、小説について次のように話している。
「私における小説の概念は単純で、人間と人間における私なりに感じた課題を書くだけのことだが、この小説(「坂の上の雲」を指す)では人間と人生の一表現として戦争が出てくる。その戦争も、この小説の主題上、戦術的規模よりも戦…
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